【万華鏡の歴史】

1816年というと大航海の時代、スコットランドの物理学者ブリュースターは灯台の灯りを遠くへ届かせるために鏡の研究をしていました。

そして、その研究が万華鏡誕生へとつながっていきました。

これを第1次時代とすると、この時代はサイエンスの色が強かったようです。

この万華鏡はカレイドスコープと呼ばれ、アメリカに伝えられ発展します。

1800年代中ごろにはチャールズ・ブッシュがオブジェクトケースを作り、その中に液体とともに具が入れたものを考案。

これが逆にイギリスに渡ったとのことです。

その後、アメリカで玩具として一般の人に広がりました。

この頃が第2次時代です。

まもなくラジオやテレビの時代になるとブームは去っていきます。

【日本における万華鏡の歴史】

日本の1819年の文献には「更紗眼鏡(さらさめがぬ)」という名が出てきます。

これは万華鏡のことで、ブリュースターが考案して3年後には日本に登場したことになります。

この時代の大航海時代がここにも反映されています。

1850年には高野長英が訳した「 三兵答古知幾」にも、万華鏡のことを「可列以度斯可布(かれいどすかふ)」と記載しているそうです。

明治時代には、「百色眼鏡(ひゃくいろめがね)」、さらに改良されて「万華鏡(ばんかきょう)」と言われ、1890年頃には「錦眼鏡(にしきめがね)」として流行したそうです。

そして子ども達の玩具として全国に広まっていきました。

さて『万華鏡』という言葉はいつ頃できたのでしょうか。

大熊進一(日本万華鏡博物館館長)氏の書籍「万華鏡の本」の中に、明治30年代半ば中国からたくさんの小物玩具が輸入され、その中に万華鏡も入っていたと記されています。

そして、中国では万華鏡のことを「万華筒」(日本語読みで「ばんかとう」)と言い、この筒という文字が「百色眼鏡」の鏡という文字に入れ代わり、「ばんかきょう」と呼ばれ、20世紀に入って「まんげきょう」と呼ばれるようになったのではないかと書かれています。

【私の万華鏡への想い】

万華鏡には200年の歴史があります。

物理学者ブリュースター が行なった実験は、灯台の灯りを遠くへ届かせるためでした。

海賊から船を守れますように、船が迷わず港に帰ってこれますように。。。

私がオイル万華鏡と出会ったのは今からちょうど10年前。 
これまで見たことのない美しく光輝く万華鏡に、大きなカルチャーショックを受けました。
「これはすごくいい!」
翌月には京都の先生のもとへ行き、作り方を教わってきました。

札幌に戻って初めて作ったのは、入院している方へのお見舞い用でした。
当時の病室は殺風景で、その方は一日中天井を見ているしかありませんでした。

オイル万華鏡を眺めた時に、「お見舞いギフトにしたい」と想ったのです。

『人はきれいなものをを見ると元気になれる』って。。。✨

正解でした。

それから見舞いに行くと、その方はいつも万華鏡を眺めていました。

とても喜んでくれていて、退院してからもずっと手元に置いてありました。

私が作る万華鏡は、その人のためだけの万華鏡です。なので飽きられずにいつまでも愛着を持っていられるそうです。

そのようなお話をいただくたびに、私はとても幸せな気持ちになるのです。
先日、万華鏡は海外で医療としても使われているとオーストラリア人の精神科医から聞きました。

ストレス軽減やリラックス効果の他に、認知予防、右脳活性化、視力回復、乱視の矯正などにもいいそうです。 
それが本当なら、、、
 

かつてブリュースターが船に灯を照らしたように、私は医療をキーワードに、人の心に温かく輝かしい灯を届けたい、と想うようになりました。

必要なときに必要なひとのもとへ届きますように。。。

そう願いながら、これからもひとつひとつ丁寧に作りづづけていこうと思います。